飲食業界で細々と生き延びる為の生存戦略

飲食店経営

「北九州の醬油ラーメン らーめん志士」でございます。

今回のテーマは「らーめん志士流 飲食業界で生き延びる為の生存戦略」です。

これは最初にハッキリ言っておきますが、個人営業で細々とやっていく為のお話です。
店を大きくしてビッグになりたい方には何の役にも立たないと思います。
まあ「こんな考えだからいつまでも小っちゃいままなんだな。フフフ笑」と優越感に浸る為の役には立つかも知れません。

そしてあくまでも志士の主観まみれのお話なので、あまり真に受けずに軽い気持ちでお読みください。
ではよろしければお付き合い下さいませ。

飲食店の生存率は一割。という言葉について考える

よく言われる言葉として「飲食店で10年続く店は一割あるかどうか」というものがあります。
これは恐らく間違いなくて、飲食店というものは本当に「出来ては消えて出来ては消えて」を凄いペースで繰り返しています。
皆さんも街を歩いていて実感されていることだと思います。

この「生存率一割」という言葉を少し考えてみたいと思うのですが。

飲食店を開業する人が生存する確率は皆が一律に一割なのでしょうか?

もちろんそうではありません。

「群を抜いて腕が良い」とか「物凄い知識と経験を有している」とか「ずば抜けて知名度がありオープンと同時に大繫盛する」とか「考えられない程の資金力があり赤字がいくら続いても全く問題がない」みたいな人の生存確率は絶対一割では無いですよね?
かなりの確率で成功すると思います。(ちゃんとした商売を続ければですが)

お店の生存確率は、そのお店の「総合力」で決まります。

総合力には色々な要素があります。
「味」「立地」「知名度」「資金力」「知識と経験」「価格やメニュー構成」等々・・
「色々な要素をひっくるめての総合力」で上位一割のお店が生き残っていけるのです。

というわけで大事なことなのでまとめますね。

生存率一割というのは「全てのお店が生き残る確率が一割しかないというわけではなくて、上位一割の総合力を持つお店だけが生き残る」という言葉なわけです。

逆に言えば「生き残るためには上位一割の総合力を持たなければならない」ということです。

更に言い換えれば「上位一割の総合力を手にすれば生き残れる」という風にも言えるわけです。

これはとても大事な考え方だと思っています。

持たざる者の生存戦略

志士は何故死ななかったのか?

上位一割の総合力を手にする!と言ってもそんな簡単なことではないですよね?
それが出来れば誰も苦労しないですね。

志士もとてもじゃないですが「上位一割の総合力」等持っていませんでしたし、現在も持っているとはとても言えません。
「知識」「経験」「お金」「知名度」「実力」「人脈」等々・・本当に何も持っていませんでした。
それでも一応生存率一割の中にしれっと潜り込むことが出来たわけです。
何故生き残れたのか・・否・・何故死ななかったのか?
「志士なりの生存戦略」を少しお話させて頂きます。

死なない為の超防御型店舗作り

志士は38歳の時に全くの未経験で開業しました。
その時小学校2年生の息子がいました。
尋常じゃない程の「絶対に負けられない戦い」です。

ですので徹底的に「防御に徹した店舗作り」を行いました。

家賃は3万円で5坪しかない物件で徹底的に安く必要なものを最低限揃えました。
人を雇わずに夫婦二人で回すという前提でメニュー構成を考えました。
お金を使わずに自分の時間を使ってきました。
もし雇われの立場だったら超スーパーブラックな職場だと告訴を検討していたことと思います笑。

先程述べた「総合力」のお話ですが、何も持っていなかった志士がチョイスしたのが「防御力」だったわけです。
「防御力」も立派な「力」ですからね。

この考え方は恐らく商売的には賢いやり方ではないと思います。
しかし、このやり方でなければ恐らく現在生き延びていなかったでしょう。
この「超防御型経営」で耐え忍んでチャンスを手繰り寄せる機会を掴むことが出来たのです。
「生き延びる為には、死なないこと」
これが志士の生存戦略でした。

人に勧めることは出来ませんが一つの例としてのお話でした。

志士が取った2つの戦略とは

「知識」「経験」「人員」「資金力」など全くない「持たざる者」の志士が取った戦略は

「戦力の一点集中」
「半歩ずらす」
 
 という2点でした。

それぞれご説明しますね。

戦力の一点集中とは

志士は人を雇わず夫婦二人でお店を回していくという方向性を選びました。
となれば、二人で回すことを前提とした店作りをしなければなりません。
もっとぶっちゃけて言うと「お客さんがワイワイ来てくれる繁盛店になっても二人で回せる店作り」をお客さんがいない閑古鳥が鳴いている段階から意識しておかなければなりません。
だって、「繫盛店になったらメニューが少なくなった」とか「繁盛したらサービスが悪くなった」とかってイメージ最悪じゃないですか?

志士の開業当初、よく「豚骨は無いの?」「チャーハンもやらなきゃ」「餃子があればいいのに」などのお言葉を頂きました。
その当時は全くお客さんが来て下さらない時期だったので「お客さんを増やす為なら何でもやらなきゃ」と思ってもおかしくないところでした。
しかし志士はそういう声に心が動くことは全くありませんでした。
そういうことに手を出したら繫盛したら対応出来ないと思っていたからです。

メニューにしても色々なものが食べられるということより、一つのポイントに特化したメニュー作りをした方が良いと考えています。

豚骨ラーメンを食べたい方はたくさんいらっしゃるでしょうが、それを志士がやる必要は無いのです。
「非豚骨」という一点に集中することで「豚骨じゃない店に行きたい」と思う方の選択肢に入れてもらえるんだと思います。
いわゆる「ブランディング」ができやすいと言えるでしょう。

「持たざる者」には持たざる者の戦い方があります。

戦力の少ない者が大きな相手と戦う為には、少ない戦力を一点に集中させて局地戦で勝っていくしかないと思っています。

大きな相手のマネをしても勝ち目はないのですから。

半歩ずらすとは

「人気」「知名度」が全くない「持たざる者」がお客さんにお店に来ていただくのは本当に難しいものです。

「味のクオリティーで圧倒して有名になる」という方法ももちろんあるのでしょうが、志士は「他に無いメニュー」「ここでしか食べられないメニュー」を模索して突破口を開こうとしました。

北九州という土地柄でラーメン屋のほとんどが「豚骨ラーメン屋」という状況を考慮し「醬油・塩ラーメン専門店」という戦い方を選びました。
そして「ラーメンのスープでお茶漬けにして食べる『汁飯』」というメニューを考えました。

このメニュー構成を考える時に意識したのが「半歩ずらす」ということでした。

「半歩ずらす」とはどういう意味かとご説明しますと「他の店とは差別化を図りながらもお客さんが想像出来ない程は奇抜じゃないこと」的な考え方です。(説明が難しくて伝わってる気がしない・・)

頑張って説明しますね。

人間というのは基本的に保守的なものです。
得をするよりも損をしたくないという気持ちの方が強いものなのです。(行動経済学的に言うと「損失回避の法則」というらしいです)
なので飲食店を選ぶ際にも「ハズレを引きたくない」という気持ちが強く働きます。

他店との差別化を図る為に奇抜なメニューを考えて例えば「パプアニューギニア風ラーメン」というものを売り出したとしましょう。
「パプアニューギニア風ラーメン」なんて確かにどこでも見たことがないので「完全なる差別化」に成功していますが、皆さんがこれに飛びつくかといえば、ちょっとビミョーな感じもします。

それはなぜかと言うと「お客さんが想像出来ない程に奇抜すぎる」からです。

志士的に言えば「一歩ずれている」のです。

人間というのは、知らないものを嫌ったり恐れたりする傾向があります。
自分の想像出来ない未知のものは「ハズレかも知れない」という損失回避の感情が働き敬遠しがちなのです。

だから志士は「他ではあまり見ないけど知っている」というラインを意識しています。
醬油と塩ラーメンは皆さん知っているけど食べられる店が少ない。
「汁飯」って聞いたことがないけど「お茶漬け」は誰もが知っています。

これが「半歩ずらす」という意味で志士が勝手に作った言葉です笑。

結論として簡単に言うと「お客さんの想像の範囲を超えないように適度に差別化しようね」ということでございます。


誰にも聞かれてもないのに極秘の戦略をベラベラ語ってしまいました笑。(全然大した話でもないのでいいんですけど笑)

三流ラーメン屋の戯言ということで笑って許してやってください。
もしどなたかに一ミリでもお役に立てばこの上ない幸せでございます。

長々と失礼しました。

らーめん志士でございました。


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